日本には衆議院と参議院合わせて713名の政治家がいます。
職としては非常に知名度のある仕事ですが、就いている人数は非常に少ないです。狭き門と言えそうです。
ですが、職責は非常に重く、日本の将来を担う大切な仕事です。
では、そんな重要な仕事である政治家になるにはどうすればいいのでしょうか。まとめてみました。
これから政治家を志す人はぜひ参考にしていただければと思います。
なお、地方議員を目指す場合には、以下の記事で詳しく解説しています。
政治家になるにはどうすればいいか【地方議員】:公約はいる?選挙活動にお金はいくらかかる?年収は?
政治家になるために必要な条件
学歴は必要か?(例: 有名大学卒業の重要性とそれ以外の選択肢)
政治家になるために必須の学歴はありませんが、有名大学の卒業歴が有利になる場合があります。特に政治、法律、経済に関連する学部を卒業していると、専門的な知識が評価されることが多いです。
有名大学のネットワークを活用して支援者を得たり、影響力を拡大したりすることも可能です。
ただし、地方議員や地域密着型の政治家を目指す場合、地元出身であることや地元での活動や信頼のほうが重要視されるケースも多いため、学歴以外の要素を磨くことが成功への鍵となります。
なお、歴代文部科学大臣の学歴について以下の記事で詳しく解説しています。
文部科学大臣や文部大臣の学歴一覧|歴代大臣の出身大学と役割を徹底解説!
資格やスキルの有無(例: 弁護士資格や行政経験の有利性)
資格やスキルは政治家にとって有利に働く場合があります。特に弁護士資格や行政経験があると、政策の立案や法案の理解に強みを持てます。
また、財務や経済の知識を持つことで、経済政策や予算に関する議論でリーダーシップを発揮できます。
一方で、資格がない場合でも、人々の意見を聞く力や調整力があれば、政治家として成功する可能性は十分あります。
【あると便利な資格・経験】
弁護士資格
経済の知識
政治家に必要な人格・資質とは
政治家には、信頼を築くための誠実さ、逆境に立ち向かう精神力、そして多様な意見を受け入れる包容力が求められます。
また、人々の意見を正確に把握し、それを政策に反映する能力も重要です。さらに、目標に向かって努力を続ける忍耐力や、迅速に決断を下す判断力も不可欠です。
政治家になるための3つのステップ
政党に参加する
政党の役割と選び方
政党は政策の実現や候補者支援のために活動する組織です。どの政党に参加するかは、自身の価値観や政治信念に基づいて選ぶべきです。
主要政党や地方政党など、さまざまな選択肢があるため、事前にその政党の歴史や政策方針を調べることが大切です。
政党員になるメリット
政党員になると、政治活動に関するサポートを受けられるだけでなく、経験豊富な先輩議員から学ぶ機会が増えます。また、政党のネットワークを活用して支援者や資金を得やすくなり、選挙運動を円滑に進めることが可能です。
なお、政党ごとの党員数や会費など以下の記事でくわしく解説しています。
政党の党員数ランキング:党員の特典、党費の高い党・安い党、党員になるメリット・デメリットを紹介
地域活動に参加する
地域活動やボランティアの重要性
地域活動は、地元住民との信頼関係を築くための重要なステップです。地域の課題を理解し、解決に向けた行動を積極的に行うことで、住民からの支持を得やすくなります。
地域の信頼を得るためのポイント
日常的に地域行事に参加し、住民との対話を重ねることで信頼を得られます。また、住民の意見を政策に反映させる姿勢を示すことが大切です。
選挙に立候補する
立候補の条件と手続き
選挙に立候補するには、法律で定められた条件を満たし、立候補の手続きを行う必要があります。国政選挙や地方選挙で条件が異なるため、選挙管理委員会の情報を確認することが重要です。
立候補に必要な要件
政治家は資格の必要な仕事ではありません。ですが、日本で国会議員になるには以下の要件を満たす必要があります。総務省のHPから抜粋します。
議員の種類 | 備えていなければならない条件 |
衆議院議員 | 日本国民で満25歳以上であること |
参議院議員 | 日本国民で満30歳以上であること |
都道府県知事 | 日本国民で満30歳以上であること |
都道府県議会議員 | 日本国民で満25歳以上であること |
引き続き3ヶ月以上その都道府県内の同一の市区町村に住所のある者(引き続き3ヶ月以上その都道府県内の同一市区町村に住所を有した後、引き続き同一都道府県内の他の市区町村に住所を移した場合も含む) |
日本国籍があり、25歳以上になればだれでも立候補できます。ただし、参議院と都道府県知事は30歳以上が年齢要件です。
なお、選挙権が20歳から18歳に引き下げられた理由について、以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:選挙権18歳:18歳以上に引き下げられた理由とその影響、被選挙権の年齢引き下げに関する議論をまとめました
出馬方法
候補者として出馬するためには、政治資金規正法に基づき、選挙管理委員会に届け出を行う必要があります。具体的な手続きは、各地方選挙管理委員会の指示に従います。
無所属でも立候補可能
衆議院議員・参議院議員になるためには、特定の政党に属する必要はありません。無所属で立候補することも可能です。
届け出の期限と場所
選挙管理委員会への届け出の期限は、選挙の期日の公示または告示があった日の午前8時半から午後5時まで(休日平日問わず)。
候補者自ら届け出るか、代理人でも届け出は有効です。
届け出に必要な費用(供託額)
立候補の届け出には一定額の現金か国債証書を法務局に納める必要があります。
当選する意思のない、売名行為やイタズラを防ぐためです。
金額は以下の画像のとおりです(総務省HPより)。
なお、供託金については、以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:立候補に必要な選挙の供託金について:金額はいくらなのか、投票数がどれくらいあれば返還されるのか
選挙資金の調達方法
選挙資金は、個人の資産や支援者からの寄付、政党からの助成金などから調達します。透明性を確保するため、資金管理が必要です。
国政選挙では3000万円程度、参議院選挙では最大(上限)5200万円必要です。チラシ代、バイト代、事務所費、選挙カーのレンタルなどに必要です。
個人の資産や支持者からの寄付が一般的です。コストカットできるところはカットし、上手に選挙を戦わないといけません。
※関連記事:政治家の給料はいくらなのか:日本の国会議員と世界の国会議員の年収を比較
選挙戦略の基本
有権者に政策を伝えるための効果的な戦略が求められます。具体的には、地元の課題を明確にし、それに対応する政策を提案することで、住民の共感を得ることが重要です。
なお、選挙ポスターの作成方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
選挙ポスター デザイン:選挙に勝てるポスターや票を集めるデザインの特徴を紹介(キャッチコピー例付き)
公約づくり
選挙で当選するには公約が欠かせません。公約は有権者への約束であり、立候補者の活動方針です。
公約は大きく分けて以下の8つのテーマに分かれます(NHK-選挙webより)。
※関連記事:政党支持率の推移:自民党やほかの政党の支持率はどのように変化したのか
当選に必要な票の割合
当選に必要な票の割合は、各選挙区の有権者数や競争状況によって異なりますが、一般的には過半数(50%以上)の得票が必要です。小選挙区で立候補者が2人、定員数が1人なら過半数の票を獲得した人が当選します。
ただし、小選挙区で立候補者数や定員数によって大きく異なります。
また、日本の選挙制度では、最も得票数が多い候補者が当選する「小選挙区制」による当選枠が最も多いですが、衆議院選挙・参議院選挙ともに比例代表制も採用されています。
現役政治家に学ぶ成功の秘訣
有名政治家の経歴分析
現役の成功した政治家を見ると、多くの場合、優れた教育背景、専門的なキャリア、または地元活動での強い基盤を持っています。例えば、弁護士出身の政治家は法的知識を活かして政策を推進し、経済学者出身の政治家は経済政策で成果を挙げることが多いです。
成功する政治家の共通点(例: コミュニケーション能力や行動力)
成功する政治家にはいくつかの共通点があります。その一つが、高いコミュニケーション能力です。演説や対話を通じて有権者と信頼関係を築く力は欠かせません。また、即断即決の行動力や、困難な状況に立ち向かう粘り強さも重要な資質です。
リーダーシップ
政治家には強いリーダーシップが求められます。国民の生活に何が必要かを判断し、困難な状況でも冷静に判断し、適切な行動を取る能力が必要です。
コミュニケーション能力
国民に必要なものを判断して実行するには、高いコミュニケーション能力も求められます。
有権者や他の政治家、メディアと効果的にコミュニケーションを取り、何をすべきかを判断して相手に伝えて説得する必要があるからです。
明確で説得力のある話し方や、聴く力がある人が活躍できます。
誠実さと倫理観
公職にある者として、高い倫理観と誠実さが求められます。不正行為や汚職を避け、公正で透明な行動を取ることが重要です。
他者に与える影響力が強い分、自らを律する力が必要です。
政治家を目指す際の注意点
政治家の仕事の現実(例: 時間の制約、批判にさらされる生活)
政治家は常に忙しい日々を送り、批判やプレッシャーにも耐えなければなりません。家族や友人との時間が削られることも多く、精神的な強さが求められます。
資金や支援者の確保の難しさ
選挙や政治活動には多額の資金が必要です。また、支援者を確保するためには地道な努力が必要で、人脈作りが欠かせません。
家族への影響
政治家は自分だけでなく、家族にも影響を与えます。特に、家族が批判の対象となる可能性があるため、十分な話し合いと理解が必要です。
政治家を目指すには何から始めるべきか
政治に関心を持ち、基礎知識を学ぶ
政治家になるには、政治の仕組みや社会問題についての深い理解が必要です。まずは以下の方法で知識を深めましょう:
- ニュースを読む: 国内外の政治ニュースを毎日チェックする習慣をつける。
- 書籍や資料を読む: 憲法や法律、選挙制度について解説した書籍を読む。
- 講座やセミナーに参加: 地域やオンラインで行われる政治関連のセミナーに参加する。
ポイント:
自分の興味がある分野(教育、経済、環境問題など)を深掘りすると、将来の政策立案にも役立ちます。
人脈を作る
政治家には多くの支援者や協力者が必要です。早い段階から人脈を作る努力を始めましょう。
- 地域活動に参加する: 地元のボランティア活動や住民運動に積極的に関与する。
- イベントに顔を出す: 地域の祭りや勉強会、懇親会などで人と知り合う。
- 政治関係者と接点を持つ: 地元議員や政党のイベントに参加し、政治家やそのスタッフと交流する。
ポイント:
地元での知名度を上げることが、将来の選挙に有利になります。
地域の課題を理解し、解決策を考える
政治家として支持を得るには、地元住民が抱える課題に対して具体的な解決策を提案できることが求められます。
- 地域の声を聞く: 住民から直接話を聞く機会を作りましょう。
- 問題を分析する: 交通渋滞、教育格差、環境汚染などの課題を深掘りする。
- 解決策を試す: 小さな活動(町内会の清掃活動の提案など)から始め、成果を出して信頼を得ます。
ポイント:
「この人なら問題を解決してくれる」と住民に思われることが、政治家への道を開きます。
政党に加入するか、無所属を目指すか決める
日本では、多くの政治家が政党に所属していますが、無所属で活動する道もあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して選択しましょう。
- 政党加入のメリット: 支援体制が整っており、選挙資金やノウハウを得られる。
- 無所属のメリット: 自由度が高く、自分の信念に基づいて行動しやすい。
ポイント:
自分が共感できる理念や政策を掲げる政党を選ぶと良いでしょう。
活動実績を積む
政治家としての信頼を得るには、具体的な実績が重要です。
- 地域活動で成果を出す。
- 地元の課題解決に役立つ提案を実行する。
- 政治や社会に関する意見をSNSやブログで発信し、フォロワーを増やす。
ポイント:
小さな成功体験を積み重ねることで、自信と支持を得ることができます。
まとめ
政治家になるためには、衆議院なら25歳以上、参議院なら30歳以上で日本国籍を有している必要があります。
選挙の届け出は選挙公示日しかできず、300万円か600万円の供託金を納めておく必要もあります。選挙活動にも3000万円程度は見込んでおく必要があり、資産家か有力支援者の存在が必要でしょう。
また、公約を作成し、有権者に認められる政策提案に向けた準備と支持を得る努力が必要です。
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