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与党とは?その定義と役割、政策決定プロセス、政権交代の歴史的経緯、野党との違いを徹底解説

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与党は、政治の中で重要な役割を果たし、国家の政策を実行する責任を担っています。

この記事では、与党の定義、役割、政策決定のプロセス、歴史的な経緯、そして野党との違いについて詳しく解説します。与党の果たす役割の全体像を明らかにします。

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与党とは何か

与党とは、「政権を担って政策を実行する政党」のことを指します。

国会で多数派を占め、政権を握ることで、法律の制定や予算の決定などに影響を与えます。

与党の役割

与党は、国の安定と発展を図るため、国民の期待に応える重要な役割を担っています。

政策の制定と実行

与党は国家の法律や政策を提案し、実行します。野党も法案を提出できますが、国会で過半数の議席を持つ与党のほうが圧倒的に法案を成立させやすいです。

なお、政策決定の仕方については以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:政策とは?その決め方と影響、目的と重要性、歴代総理の代表的な政策例を紹介

予算の編成

政府の予算案を策定し、国民生活に影響を与える経済政策を決定します。

過去には、内閣が提出する予算案を与党が承認しない見込みだったために、衆議院解散後に参議院を緊急招集して予算を成立させた内閣もありました。

参議院の緊急集会については以下の記事で詳しく解説しています。
参議院の緊急集会とは?いつ召集されて何を話し合うのか?過去の召集事例2つを紹介

行政機関の管理

行政機関を通じて、政策を具体化し、実行に移します。

国際関係の構築

外交政策を推進し、国際的な交渉や条約を行います。

与党の政策立案プロセス

与党の政策立案プロセスは以下のような段階で進行します。

政党内部の議論

政策案が党内で議論され、基本方針が決定されます。与党の中でも特に影響力のある議員や党の政策部会、委員会が重要な役割を果たします。

閣議決定

与党で決定された政策案が内閣の閣議で正式に審議され、閣議決定されます。ここで政府全体としての方針が固まります。

国会審議と法案提出

政策案が具体的な法案として国会に提出され、与党の議席数を活かして審議、採決へと進みます。多くの場合、与党の議席多数により法案は成立します。

※関連記事:国会の仕事:国会の役割(唯一の立法機関)と構成(二院制や与党・野党の役割)を解説

政策の実施と評価

成立した政策は実際に施行され、その成果や課題についての評価が行われ、次の政策改訂や新しい提案に反映されます。

日本における与党の経緯

戦後、自民党が与党をつとめていた期間が圧倒的に長いですが、政権交代や連立与党など変化もともなってきました。与党の経緯をまとめました。

自民党の長期政権(1955年~1993年)

この期間、自民党は「所得倍増計画」や「高度経済成長政策」(池田勇人内閣)を推進し、経済の発展を図りました。

この期間の内閣支持率は高く、1960年代には60%を超えることもありました。

止まらない汚職事件

長く政権を担ってきたツケなのか、汚職事件の連続による政治腐敗が問題視され、支持率は下降しました。

記者会見でうなだれる政治家

代表的な事件として、1960年代の「佐藤栄作内閣での黒い霧事件」、1976年の「ロッキード事件」、1980年代の「リクルート事件」などがあり、これらは政治家と企業の癒着を浮き彫りにしました。これらの事件を受けて、政治資金規正法の改正が行われました。

※関連記事:政治資金規正法とは:政治資金スキャンダルと歴代内閣への影響、政治資金規正法改正の内容をまとめました

政権交代(1993年~1994年)

1993年、細川護熙が率いる非自民連立政権が成立。「55年体制」が崩壊しました。自民党の長期政権への不満が高まったことと、党内での派閥抗争や汚職問題が影響しました。

新しい連立政権は選挙制度改革や政治資金規正法の改正を進め、汚職防止と透明性強化を目指しました。

この政権交代により、議会政治のあり方に変化がもたらされましたが、連立の不安定さも課題として残りました。

※関連記事:長期政権と短命政権の総理大臣のリーダーシップや政策の違い

自社さの連立政権(1994年~1996年)

1993年の政権交代後、細川連立政権は汚職の一掃や政治改革を掲げましたが、連立内での意見対立が原因でわずか8か月で崩壊しました。後任の羽田内閣も短命に終わり、連立政権の不安定さが浮き彫りとなりました。

こうした背景から安定した政権を求める声が強まり、自民党は社会党と連立を組んで村山富市を首相に指名。1994年には自民党が政権を取り戻し、以降は自民党主導の政治体制が続きました。

自民党単独政権(1996年~1999年)

1994年の自社さ連立政権は、1996年1月の村山首相辞任を機に崩壊しました。次の与党は自民党で、1996年1月に橋本龍太郎を首相として新たな自民党中心の連立政権が発足しました。

この政権は自民党・新党さきがけ・社会党(当時の社会民主党)との連立で構成されましたが、橋本内閣の再登場により自民党は再び主導的な役割を果たし、徐々に単独政権へと移行していきました。

自公連立政権(1999年~2009年)

1999年、自民党は参議院選挙で敗北し、参議院での過半数の議席確保に失敗。ねじれ国会となり、重要な法案通過がむずかしくなりました。公明党との連携によって参議院での安定を確保し、法案の円滑な成立を目指しました。

また、公明党との連立により、自民党は都市部での支持基盤を拡大し、選挙戦略上のメリットも狙っていました。

※関連記事:ねじれ国会とは:法案成立など国会運営に及ぼす影響などメリット・デメリットや過去の実例を解説

内閣支持率のワースト記録を連発

2000年代に入ると、小泉内閣の前後の内閣で内閣支持率10%前後という不名誉な記録を連発しました。

  • 森喜朗内閣:ワースト1位の7%
  • 福田康夫内閣:ワースト4位の20%
  • 麻生太郎内閣:ワースト2位の15%

自民党は支持率を下げ、党員も減少し、2009年には再び政権を失います。

※関連記事:歴代総理大臣の最低支持率ランキング:歴代総理のワースト支持率とその理由(不祥事など)を紹介
※関連記事:政党の党員数ランキング:党員の特典、党費の高い党・安い党、党員になるメリット・デメリットを紹介

民主党政権(2009年~2012年)

2009年、自民党から政権を奪った民主党は「コンクリートから人へ」を掲げ、福祉や教育に重点を置いた政策を推進しました。

鳩山内閣の支持率は一時50%を超えたものの、政策の実行力不足や政治混乱から急激に低下。以降、菅直人内閣が内閣支持率歴代ワースト3位の16%を記録するなどして、2012年には早くも自民党と公明党に政権を明け渡しました。

再び自民党の政権(2012年~現在)

安倍政権は「アベノミクス」を掲げ、経済成長を目指しました。支持率は高く、50%を超えることが多いですが、森友問題の国会答弁など、国民の懸念も根強く残りました。

さらに2023年には政治資金パーティの収入不記載問題が発覚。岸田内閣は退陣し、石破総理大臣に交代しましたが、直後の衆議院選挙で自民党は大敗して議席数を大きく減らしました。

※関連記事:国会答弁とは:国会答弁の目的や問題点を解説し、過去の有名な国会答弁を紹介(ロッキード事件、森友など)

単独政権と連立政権の違いとメリット・デメリット

先述のように、与党が単独で政権を担う場合もあれば、自社さの連立政権や自公の連立政権だったときもありました。それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介します。

単独政権の特徴

単独政権は、特定の政党が議会の過半数を占め、政策を独自に決定する体制です。これにより、政権の意思決定が迅速に行えるため、施策の実行に一貫性を持たせることができます。

例えば、単独政権では、政党の理念や公約に基づいた政策がそのまま実施されやすいです。ただし、議会内での反対意見が少なく、時には独裁的な政治につながる可能性もあります。

連立政権の特徴

連立政権は、複数の政党が協力して政権を形成する体制です。

手を取り合う政治家たち

この場合、各政党の意見を調整する必要があり、合意形成が重要です。連立政権では、異なる背景や主張を持つ政党が共存するため、多様な視点からの政策が検討され、より広範な支持を得る可能性があります。

しかし、合意形成に時間がかかり、政策決定が遅れることが多いのも特徴です。

単独政権と連立政権の違い

単独政権は政策の一貫性が高い反面、議会の過半数を常に維持する必要があり、支持率の低下が直ちに政権の安定性に影響を及ぼします。

これに対し、連立政権は複数の政党による支えがあるため、短期的な支持率の変動に強い傾向がありますが、各党間の意見対立が政権運営の障害となることがあります。

単独政権と連立政権のメリット・デメリット

以上の「違い」を踏まえると、単独政権と連立政権のメリット・デメリットを以下のように説明できます。

単独政権のメリット

単独政権の最大のメリットは、政策決定の迅速さと一貫性です。議会内での議論や調整を必要とせず、政党の理念に基づいた政策が即座に実行されるため、施策の実施がスムーズに進みます。

これにより、選挙公約を実現する可能性が高まり、有権者からの信任を獲得しやすくなります。

また、比較的強いリーダーシップが発揮されるため、国民に安心感を与えることができます。

単独政権のデメリット

単独政権のデメリットは、独裁的な傾向が強まる可能性があることです。議会内での反対意見があっても、その意見が無視されることが多くなり、民主的な手続きが軽視される恐れがあります。

また、支持率が低下した場合、政権が脅かされることがあり、次回選挙での敗北につながるリスクも高まります。さらに、政権が長期化することで、腐敗や不正の温床となることも懸念されます。

連立政権のメリット

連立政権のメリットは、多様な意見を反映させることができる点です。異なる政党が協力することで、様々な視点からの政策が検討され、社会全体のニーズに応じた施策が実施される可能性が高まります。

また、連立政権では、複数の政党が支え合うため、短期的な支持率の変動に対して比較的安定した政権運営が期待できます。

連立政権のデメリット

連立政権は複数の政党が意見を調整する必要があるため、合意形成に時間がかかり、政策決定に時間がかかるというデメリットもあります。

また、異なる背景を持つ政党が集まるため、内部での意見対立が生じやすく、政権運営が不安定になる可能性もあります。

野党との違い

与党は野党といくつかの点で違いがあります。

与党は政権を担当し、政策の決定と実行を担当します。多数派の支持を受けているため、政策を推進する力があります。

一方、野党は与党に対して批判的な立場を取り、政策の監視や改善を求める役割があります。選挙での敗北により、政府の実行権を持たず、代替案を示すことで支持を得ようとします。

このように、与党は政策を実行する立場、野党はそれをチェックする立場にあります。

※関連記事:野党とは何か?与党との違いと役割、そして重要性をデータを使ってわかりやすく解説

まとめ

この記事では、与党の定義、役割、政策決定のプロセス、歴史的経緯、野党との違いを解説しました。

与党は国家の方針を決定し、実行する重要な存在であり、政治の安定と成長に寄与します。与党と野党の違いを理解することで、政治の仕組みをより深く理解できます。

【参考】
憲法研究所
日本経済新聞
毎日新聞

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