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東京都議会は女性が当選しやすいのか?:東京都議会の女性議員比率が高い理由を紹介

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女性政治家のスピーチ まとめ
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東京都議会は女性議員の比率が高いことで知られています。さまざまな意見が議会に入りやすくなったのは歓迎ですが、そもそもなぜ東京で女性議員が多くなったのでしょうか。

東京は地盤的に男性よりも女性が当選しやすいのか、そもそも女性候補者数がとびぬけて多いのか。

理由を調べてみました。

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東京都議会の女性議員比率は全国的に高い

東京都議会は女性議員の比率が高いです。

以下の表は2023年時点の47都道府県議会における女性議員の割合ランキングです。

都道府県議員現員数
(人)
女性
(人)
女性割合
東京都1233830.9%
京都府601321.7%
神奈川県1011918.8%
滋賀県43716.3%
兵庫県791215.2%
山口県47714.9%
岡山県54814.8%
鳥取県34514.7%
沖縄県48714.6%
長野県56814.3%
高知県36513.9%
栃木県44613.6%
静岡県67913.4%
岩手県45613.3%
千葉県841113.1%
長崎県46613.0%
埼玉県861112.8%
北海道961212.5%
宮城県58712.1%
新潟県51611.8%
秋田県43511.6%
群馬県45511.1%
徳島県36411.1%
富山県38410.5%
三重県49510.2%
鹿児島県49510.2%
茨城県6269.7%
愛媛県4548.9%
島根県3438.8%
岐阜県4648.7%
福島県5858.6%
福岡県8278.5%
宮崎県3738.1%
奈良県4137.3%
和歌山県4137.3%
大阪府8467.1%
石川県4337.0%
広島県5846.9%
青森県4636.5%
愛知県9866.1%
福井県3425.9%
佐賀県3725.4%
山形県3925.1%
香川県4124.9%
大分県4324.7%
山梨県3512.9%
熊本県4812.1%
合計257030311.8%
内閣府・男女共同参画局「都道府県会議員に占める女性の割合」より

女性議員の比率は平均11.8%

全国の都道府県議会の議員数は2570人で、そのうち女性議員は303人。割合にすると、わずか11.8%です。

東京都議会の女性比率は全国唯一の30%越え

東京都議会は123人の都議会議員のうち38人が女性です。割合にすると30.9%です。

全国で30%を越えているのは東京都だけです。

しかも2位の京都府が21.7%なので、東京都の女性議員比率が全国的にいかに高いかが分かります。

東京都議会は女性が当選しやすいのか?

都議会議員は選挙を経て有権者に選ばれます。女性議員が多いということは、それだけ女性候補者の当選数も多いということです。

では、東京都議会は女性候補者が当選しやすい地域だと言えるのでしょうか。

実は、男性議員と女性議員で当選のしやすさに違いはないのです。

東京都議会選挙の当選率は男女とも40%台

2021年に行われた東京都議会選挙(その後の補欠選挙含む)では、男女ともに立候補者の当選率はほぼ同じでした。

男性候補者のうち44.5%当選し、女性候補者では45.3%が当選しています。

選挙区定員数
(人)
立候補者数(人)女性立候補者の比率当選者の性別当選率
男女合計数
(人)
女性数
(人)
男性(人)女性(人)男性女性
東京都千代田区14125.0%1025.0%0.0%
東京都中央区14250.0%1025.0%0.0%
東京都港区2400.0%1125.0%0.0%
東京都新宿区411327.3%3127.3%33.3%
東京都文京区23266.7%1133.3%50.0%
東京台東区2400.0%2050.0%0.0%
東京都墨田区36116.7%2133.3%100.0%
東京都江東区410440.0%2220.0%50.0%
東京都品川区49555.6%2222.2%40.0%
東京都目黒区311218.2%3027.3%0.0%
東京都大田区715426.7%4326.7%75.0%
東京都世田谷区817635.3%5329.4%50.0%
東京都渋谷区25240.0%1120.0%50.0%
東京都中野区37342.9%2128.6%33.3%
東京都杉並区612433.3%3325.0%75.0%
東京都豊島区36233.3%2133.3%50.0%
東京都北区37571.4%2128.6%20.0%
東京都荒川区26233.3%2033.3%0.0%
東京都板橋区513538.5%4130.8%20.0%
東京都練馬区714428.6%5235.7%50.0%
東京都足立区611763.6%3327.3%42.9%
東京都葛飾区41317.7%4030.8%0.0%
東京都江戸川区58562.5%1512.5%100.0%
東京都八王子市51218.3%4133.3%100.0%
東京都立川市26116.7%2033.3%0.0%
東京都武蔵野市15480.0%010.0%25.0%
東京都三鷹市2300.0%2066.7%0.0%
東京都青梅市1200.0%1050.0%0.0%
東京都府中市24250.0%1125.0%50.0%
東京都昭島市13133.3%1033.3%0.0%
東京都町田市49111.1%4044.4%0.0%
東京都小金井市13266.7%010.0%50.0%
東京都小平市22150.0%1150.0%100.0%
東京都日野市23133.3%1133.3%100.0%
東京都西東京市24250.0%1125.0%50.0%
東京都西多摩選挙区27228.6%1114.3%50.0%
東京都南多摩選挙区24125.0%2050.0%0.0%
東京都北多摩第一選挙区35240.0%2140.0%50.0%
東京都北多摩第二選挙区24125.0%1125.0%100.0%
東京都北多摩第三選挙区35120.0%3060.0%0.0%
東京都北多摩第四選挙区23266.7%1133.3%50.0%
東京都島部選挙区1200.0%1050.0%0.0%
合計1272869533.2%854344.5%45.3%
東京都選挙管理委員会をもとに作成

ご覧のように、東京都では女性候補者が当選しやすいというわけではないのです。

東京23区のほうがやや女性が当選しやすい

東京都のなかでも、23区とそれ以外の選挙区では違いがあるかもしれません。調べてみたところ、女性の当選しやすさに違いは見られませんでしたが、男性はやや23区のほうが当選率が高かったです。

 男性女性
東京23区43.1%45.7%
それ以外33.7%44.0%

もちろん、性別というよりそのときの政党のパワーバランスによる影響も考えられます。

とはいえ、23区以外だと男性は女性よりも当選率が10%低いということが分かりました。

東京都議会の女性比率が高い理由

23区以外ではやや女性のほうが当選しやすいことが分かりましたが、東京都全体では男女で当選しやすさに違いはほぼありませんでした。

では、なぜ東京都議会の女性比率が高いのでしょうか。

小池都知事への支持の広がり

最も大きな理由として考えられるのは、女性である小池都知事への支持の高さです。

小池都知事は2016年の都知事選で、日本の首都ではじめての女性首長に選ばれました。当時290万票の支持を獲得し、ほかの男性候補者を圧倒しました。

そして2017年の東京都議会選挙で、東京都議会の女性議員比率は一気に10%上昇。28.3%に達しました。そのときの女性議員比率の高さが今もつづいているのです。

政党の選挙戦略

女性議員比率が上昇した理由は小池都知事の支持の高さだったでしょうが、その後も女性議員の比率の高さを維持したのは、立憲民主党や都民ファーストの会による選挙戦略が大きかったでしょう。

立憲民主党は小2021年の都議会選挙で女性候補を前面に押し出す選挙戦略を行いました(立憲民主党「都議選 女性候補者からのメッセージ」より)。

また、小池都知事の支持基盤である都民ファーストの会は所属議員31人中12人が女性と、4割近くが女性です。

こうした都議会選挙の動きがほかの政党にも影響しており、共産党は19人の所属議員のうち実に14人が女性となっています。

世界のなかで日本の女性議員の割合は低い

日本の首都で女性議員の割合が高いのは、全国の地方政治への影響という点で非常に大きな意味を持つでしょう。

ですが、女性議員30%という割合は世界各国と比べると決して高くありません。

国会議員の割合との比較になりますが、2024年時点では、東京都の30.8%という女性議員比率は、世界190か国で64位に相当します。

さらにOECD加盟国38か国と比較すると、24位に相当します。

※関連記事:世界の女性議員の人数や割合:日本は世界で何位?先進国(G7やOECD)のなかで何位?

まとめ

東京都議会は日本の地方議会のなかで最も女性議員の割合が高いです。その比率は全国で唯一30%を越えています。

では東京は地域的に女性が当選しやすいのかというと、実は男女で当選率にほとんど差がありません。むしろ小池都知事への支持の高さや共産党、立憲民主党などの選挙戦略などが影響していると考えられます。

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